その日の早朝訓練には、珍しい人物が顔を見せていた。
「ま、ちょっとしたお知らせと見学だけなんやけどね」
機動六課部隊長の、八神はやて二等陸佐である。普段はデスクワークや渉外で忙しい彼女が訓練場にやってくるのは本当に珍しいことで、スバルをはじめ、フォワード4人は一様に若干の緊張が顔色から見て取れた。
個別訓練を終えて、模擬戦に入る前にかかった集合。フェイト、ヴィータ、シグナム、そしてはやて。なのはを除いた機動六課の隊長陣が勢揃いである。隊長・副隊長4人を相手にしての模擬戦もすでに何度も経験しているスバル達にとって、この光景は以前とは別の意味で緊張せざるをえないものだった。
「で、お知らせのほうなんやけど。みんなも知ってる通り、高町教導官はしばらくの間検査入院ってことになりました。ま、元気にはしてるみたいやから安心してな。ただし、お見舞いは禁止」
最後に付け加えられた一言に、ええっ、と不満げな声をあげたのはスバルだった。全員の視線がそちらに集まり、スバルは顔を赤くして身を縮こまらせた。そんな様子を見て、はやては楽しそうに笑う。
「あはは。スターズは今日の午後から休暇の予定になっとるし、気持ちはわかるんやけど。ごめんなー、スバル」
「い、いえ。でも、その……どうして、でしょうか」
ただの検査入院というならお見舞い禁止なんてことにはならないはずであって、そこはスバル以外の3人も気になっているらしく、軽く頷いたりしている。
「ま、深刻な理由とかは何もないんやけど。今なのはちゃん、久しぶりに恋人さんと一緒やから、邪魔せんでおこうなーって話や」
まさか本当のことを言えるわけもないのでそうやって誤魔化すほかないはやてなのだが、嘘はついてないよ嘘はー、と、ここまでいけしゃあしゃあと言ってしまえるあたりが、若くして二佐にまで上り詰めた彼女が一部でチビだぬき呼ばわりされている理由の一端であるのは間違いない。
一方スバルは、
「……こ、恋人? な、ななな、なのはさんって、恋人いたんですかっ!? そんな、ええっ? え、ほんとに!?」
なんでそこまで驚くのかわからないほど驚いていた。ある意味、なのはに対してかなり失礼な反応である。ヴィータなどは、そのあまりにもあんまりな物言いに、必死に笑いを堪えている様子だった。
「なに、あんた知らなかったの?」
いつものように呆れた調子でティアナが言う。スバルはむしろティアナが知っていたことにも驚いて、
「え、ちょ、エリオとキャロは!? 知らなかったよね、ね?」
「あ、いえ。僕たちは、フェイトさんからちょっと教えてもらったことが。ね、キャロ」
「うん。とっても仲が良いって」
ちびっこ2人に助けを求めたところあっさりと切り捨てられ、無知だったのは自分だけだと思い知らされたのであった。
「あ、相手は! 相手は誰なんですか!?」
「無限書庫司書長のユーノ・スクライア先生よ。アグスタの事件の時に、ちょこっと挨拶したでしょ?」
ホテル・アグスタでの一件にはティアナにとっては苦い思い出があるはずなのだが、その辺りはもう吹っ切っているらしく、あっさりと口にしていた。スバルは、どうしてティアナがなのはと旧知である隊長陣よりも早く答えてくれたのかは特に気にした様子もなく、ただ得られた事実に、えー、とあからさまな顔をする。
「なんだ、スバル。スクライアがなのはの相手だというのが不服か」
色恋沙汰にはまるで興味のなさそうなシグナムからそう問われて、スバルは少し驚きながら、ついでに周囲の顔色を窺いつつ――はやてとヴィータはニヤニヤと笑い、フェイトは苦笑している――、一応、正直に答えてみることにした。
「だって、その。偉い人で、とても大事な仕事をなさってるっていうのもわかるんですけど。なのはさんとは、ちょっと……」
なんかヒョロっとしてて頼りなさそうな、いかにもな優男だったし。戦技教導官として活躍するオーバーSランク魔導師のなのはさんとは、まるで釣り合いが取れてない気がするんですけど。さすがにそこまでは言わなかったものの、ニュアンスとしては伝わったはずである。
「まあ、2人のこと……というか、ユーノのことをあまり知らない人には、よく言われることだよね」
「ま、そーだな」
フェイトが苦笑を浮かべたまま言って、ヴィータもそれに同意する。ほら、やっぱり。普通はそういうふうに思うんじゃないか。自分が感じたことは見当外れではないのだと、スバルは思う。
「でも、なのはの前でそんなこと言っちゃダメだよ。怒られたくなかったらね」
スバルの考えを読みとったかのように、フェイトが少し真面目な口調で言った。
「誰だって、自分の大事な人を悪く言われたら、怒るでしょう?」
あ、とスバルはようやく自分がどれほど失礼な物言いをしていたかに気付く。そもそもユーノ・スクライアという人物は無限書庫の司書長で、つまりはるか格上の相手であるわけで――陸士隊基準でどの階級に相当するのかはわからないが、二等陸士に過ぎない自分とは比べるべくもないのは間違いない――、俄かに青ざめる。
「す、すいませんでしたっ!」
「私たちに謝ってどうするの、もう」
勢いよく頭を下げると、フェイトはそう言って、
「まあ、ユーノは私たちにとっても大事な友達なんだけどね」
と、ふふっと小さく笑った。あわあわと慌てふためくスバル。バカ、とティアナが呆れたように呟く。
「苛めるのはその辺にしておいてやれ、テスタロッサ」
意外にも、助け舟を出したのはシグナムだった。はぁい、とフェイトは悪戯っぽく笑う。シグナムの態度もそうだが、フェイトとの付き合いが長いライトニングのコンビとは違って、スターズの2人にとっては、フェイトのそういう顔を見ることも珍しかった。
「まあ、そういうわけだ。久しぶりの逢瀬を邪魔するような、無粋な真似はしてやるなよ」
「なのはもアレで、ユーノのことになると人が変わるところがあるかんなー。邪魔なんてしたら、戻ってきた後の模擬戦で私情が混じるのは間違いねーな」
ヴィータが、さらりと恐ろしいことを言う。私情かー、具体的にはバインドで身動き封じてからスターライトぶっぱってとこかいなー、なんて、はやてがさらに恐ろしいことを言った。あー、あれ、キくんだよねー、とフェイトが遠い目をしている。
この時点でフォワード4人の頭の中からなのはのお見舞いに行くという考えは粗方消滅して、あまつさえ引き攣った笑顔を浮かべてすらいるのだが、
「ま、ヴィヴィオだって2人に気ぃ遣ってるんやから、ね?」
今は寮母のアイナに見守られて、ザフィーラをモフりつつ、リインを着せ替え人形にして遊んでいる小さなヴィヴィオのことを持ち出されては、いよいよ諦めるほかない。スバルは、今は遠き憧れの人に想いを馳せて小さく溜息をついた。
第4話 pain & sweet
身体の至るところを走る激痛に目覚めを促されるというのは、間違いなく快適でも健康的でもない。
「う、く……」
身体が幼くなってから迎える初めての朝は、そういうものだった。身を捩ってなんとか起き上がる。耐えがたい激痛は、しかしすぐ近くに穏やかな寝息が聞こえて、いくらか和らいだ。思わず笑みが零れる。
(そんなに痛くない、そんなに痛くない……)
まずは心の中で繰り返し呟いてから、
「あいたたた」
たいして痛いとも思っていないように、感じる痛みを口にする。もちろんそれで痛みが消えるはずはないのだが、耐えがたい激痛は、耐えられる激痛になった。
「おはよう、レイジングハート。今何時かわかる?」
隣で眠る彼を起こさないよう、囁くように聞く。確か枕の下に押し込んだような気がするのだが、愛機はなぜか枕の上、なのはとユーノ2人の間に挟まれるような位置に転がっていた。
《おはようございます、マスター。昨夜はお楽しみでしたね。ちなみに現在の時刻はA.M.7:58になります》
途中に挟まっている一言があきらかに余計で、なのはは顔を赤くしつつ、枕の上の宝石をバシッと叩いた。
《痛いです、マスター。もっと叩いてください》
「う、うう……レイジングハートが壊れたぁ……」
《クールかつ熱血なキャラを気取っていただけで、私はもともとこういう性格なのです。マスターのロリ化でテンション上がって、ついつい本性を晒してしまいましたが》
できれば聞きたくなかった告白に、なのはは朝っぱらから陰鬱な心持である。
《勘違いしないでいただきたいのは、ロリ化でテンション上がったと言っても、私は決してロリコンではないということです。むしろマスターならなんでもいいです。私の趣味はマスターの成長記録をつけることでして、今回の件でつい昔が懐かしくなってしまったのです》
「なんかもう、何もかもどうでもいいよ……」
《私の秘蔵コレクション、見ますか? とりあえず、マスターが初めて自慰を覚えて、よくわからない感覚に翻弄される中、脳裏に浮かんで思わす声に出してしまった名前に戸惑い恥ずかしがるシーンなどがお勧めですが》
「ぶっ!?」
レイジングハートは、あれは確かPT事件の裁判でユーノ氏が証人としてアースラに出向いている頃のことでしたね、ああ、そう、故にその時ユーノ氏は不在だったのですよね、と余計に過ぎることを付け加えた。当時はそれの意味も知らず、ちょっとした好奇心からの行為だったとはいえ、今のなのはにとっては過去に戻って消し去りたいブラックヒストリーその1である。
「ちょ、ちょっと、いったい何を記録してるの!? 消してよ、そんなの!」
《断固拒否します。こればかりはマスターの命令といえど、遂行できません》
なのはがどんな無茶をしようとしても止めず、むしろ一緒になって無茶をしてきたレイジングハートの、初めての反抗であった。正直こんなことで反抗してもらいたくない。むしろ反抗を犯行に置き換えてもなんら問題はないのではないかと、なのははブラスターの後遺症とは別に、頭が痛くなった。通り越して、頭痛が痛いというレベルである。
「ん……うー……ん……」
「ひゃっ!?」
突然、眠っていたはずのユーノが唸ったかと思うと、ゴロリと寝返りを打った。投げ出された腕が、ちょうどなのはを抱き寄せるように絡まってくる。
「……なの……は……ん……」
「あう……ゆ、ユーノくんったら……」
起きたというわけではないらしい。思えばレイジングハートと言い合っている内に声量が増してしまっていて、起こしてしまっていてもおかしくなかったのだが。よほど疲れているのだろう。そこにいきなり押しかけるような形になってしまったことを、なのはは申し訳なくなった。
「……レイジングハート、今、8時だっけ?」
《正確には、A.M.8:01になりました》
なのはにしてみれば、かなりの寝坊である。早朝訓練のセッティングのために誰よりも早く訓練場に赴くなのはは、バックヤードスタッフを除いた六課隊員の中では、間違いなく一番に起きてきているのだった。
「というか、ユーノくん、お仕事大丈夫なのかな。完全に遅刻だよね、この時間じゃ……」
《昨夜、マスターがお眠りになられた後で話をしましたが、今日は午後からの出勤とのことです》
「そうなんだ。じゃあ、もうちょっと寝かせてあげたほうがいいよね。その間に朝ごはん作って……えと、その前にシャワーかな」
下着が湿っていて、べたっと肌に貼り付くのがかなり気持悪いことに気付く。とりあえずなのはは、レイジングハートを枕の下に沈めると、少し名残惜しそうにしつつ、優しくユーノの腕を解いた。
☆☆☆
浴室手前の洗面所で衣類を脱いでいくなのはは、その過程でどうやったって恥ずかしい事実を突き付けられるほかなかった。
「うう……こんなに濡れてる……」
脱いだ下着の両端を持って目の前に掲げる。はやての持ち物であるワイシャツ(当然今のなのはにはぶかぶかなのだが)と違って、子供用の下着はすぐに用意できず、間に合わせでなんとか取り寄せたものだった。そんな経緯故にまるで飾り気のない白い無地の下着は、だからこそ広がった染みがはっきりとわかってしまって、なのはは顔から火が出るかのような思いだった。
「わたし、こんなに……」
感じちゃったんだ。耳を弄られただけなのに。なんていやらしい子なんだろう。わたし、小さくなっちゃったのに、なのに、こんな――。
「ゆ、ユーノくんが意地悪するせいだもん……」
いつものように、ユーノに責任転嫁しての自己弁護。
でも、口で言うこととは裏腹に、なのははこれまでユーノの“意地悪”を受け入れてきて、それはきっとこれからも変わらないだろう。いつだって、誰にだって優しい彼が、あんなに意地悪になるのはわたしの前でだけ。わたしだけが知っている、わたしだけのユーノくん。そんな、少し歪んだ想いが、なのはの心の中にある。
いつまでもこうしていても仕方がない、となのはは問題の下着を洗濯機に放り込み、続いてワイシャツのボタンを外していく。袖から手が出ないので多少苦戦したが、なんとか脱ぎ終えて、こちらも洗濯機にぽい。洗剤入れてタイマーセットして、スイッチオン。ごうんごうんと音を立てて回り始めたのを確認してから、一糸纏わぬ姿のなのははタオルを片手に、風呂場のドアノブを掴んで――
がちゃり。
「ふぇ?」
ドアノブが回る音。自分はまだ、手をかけただけで回していない。と、いうことは――?
「ふぁあ……」
パジャマ姿で大欠伸をしながら、ユーノが洗面所に入ってきていた。硬直するなのは(全裸)。明らかに寝起きの様子のユーノは、眼鏡をかけていない。目元をごしごしと擦りながら、
「……はだいろ?」
などと、のたまった。
「ひぅっ!?」
なのはは慌ててタオルで前を隠す。が、小さすぎた。胸元で頼りなく揺れるタオル、到底隠し切れない、女の子の大事なところ。
「あー、なんだ……なのはか……」
「ゆ、ゆゆゆ、ゆーのくんっ、お、おは、おはよっ!」
「ん、おはよー……ふあ」
呑気に朝の挨拶などしている場合ではない。ないのだが、突然の事態に、なのはは混乱の極みにあった。
そりゃまあ恋人同士であるから、裸を見られるのは初めてのことじゃないし、むしろ数えるのが馬鹿らしくなるぐらい、時には自分から脱ぎ、時にはユーノに脱がされてきた。もっと恥ずかしいことだって、たくさんしてきたはずなのに。
しかしなのはは、今、ユーノに裸を見られるのが恥ずかしくて仕方がなかった。昨日の晩のことを思い出してみても、果たしてこれほどの羞恥を感じていただろうか。
何かが、おかしい。
(もしかして、これも……ロストロギアの影響……?)
なのはを幼児化させたロストロギア『白い恋人』。仮に、対象の身体を幼児化させるだけでなく、その精神にまで影響を与えるようなものだとしたら。
「なーのーはー……」
「うひゃあっ!?」
考えに耽っていた隙を突かれ、なのははユーノの接近を許してしまっていた。ぎゅうっと、真正面から抱き締められる。
「ゆ、ユーノくんっ!? な、ななな、なにを」
「もう、ダメじゃないか、なのはぁ。こんな素っ裸で歩き回って……ん、ちゅ」
「んんーっ!?」
いきなり、何の前触れもなく唇を塞がれた。侵入してきた舌が、口内でしっちゃかめっちゃかに暴れ、なのはを捕まえて離さない両手は、片手は弱点である耳を揉みほぐし、残ったもう片手は小さくも可愛らしいお尻を撫でまわす。
いきなりこんなことをされて、でもそれを気持ちよく感じてしまう自身の身体が恨めしい。乱暴なぐらいのキスと、優しい愛撫に、なのはの意識は次第に削り取られていく。
「ん……はぁっ、うん……ちゅ……んっ、んんぁ……」
「んん……ん……ぷはぁっ」
ようやくユーノがなのはの唇を解放した頃には、なのはの幼い肢体は真っ赤に染まり上がり、目尻はとろんと下がっていた。息は荒く、2人を繋ぐ銀糸はすぐに切れてしまう。
「んー……なのは……なんか、ちっちゃいね……」
「ね、ねぼけてる……ねぼけてるね、ユーノくん……」
「そんなこと、ふぁあ。ないよ」
今思いっきり欠伸したー! と指差してやりたかったけれど、やめておく。ユーノは別段朝に弱いなんてことはなかったはずだが、今日はどうにも様子が違った。やっぱりわたしが色々迷惑とか心配とかかけたせいかな、と変わり果てた自分の身体を思う。
(……からだ、あつい……わ、わたし、うう……)
火照った身体が、羞恥でその熱さを増した。お腹のあたりに感じる、どうしようもない疼き。我慢なんて、できそうになかった。
それはきっと、彼に気持ちよくしてもらうことで、身体を蝕む痛みを忘れられるから。彼が触れてくれている間は、辛くないから。どうしてもらえば楽になれるか、身体が覚えてしまったから。だから、よりいっそう、欲してしまう。よりいっそう、感じる悦楽も大きくなってしまう。
「ユーノ、くん」
「ん……なぁに、なのはー」
気付けば、口が勝手に動いていた。一度意識してしまったら、もう自制は効かない。
「わたし、ね。身体が、すごく、すごく、痛いの。苦しくて、辛くて、どうしようもないの」
彼が寝惚けているのをいいことに、弱音を吐く。ユーノが素面だったなら、絶対にこんなことは言えない。優しくて心配症な愛しい人に、余計な心配や負担をかけたくないから。
「だから……ぜんぶ……忘れさせて、ほしいな」
「……どうやって?」
返ってきた声は存外真剣な色を帯びていて、なのははビクリと身を震わせた。恐る恐る、彼の顔を見上げると――そこにあったのは、穏やかな微笑み。
「……え、えーっと……あれ? ……もう、寝惚けて、ない?」
「そもそも、僕がいつ寝惚けていたんだろうね?」
つまり、最初から寝惚けているフリ、だったと。
「まあ、思いつきだったんだけど。そしたら弱音はいたり、頼ったりしてくれるかな、って」
「ひ、ひきょうものー……」
苦笑するユーノに頭を撫でられて、なのははくすぐったく思いながらも、頬を膨らませてみせた。あっさりとひっかかってしまったことへの悔しさと、それ以前に隠していたことがバレバレだったことへの恥ずかしさ。後者はレイジングハートの告げ口なのだが、なのはは知らないことだ。
「それで、どうやって忘れさせてほしいの?」
「う……」
心なしか、ニヤニヤしているように見える。わかっていて言っているのだ。
「……いじわる」
「なのはにだけ、ね」
反則だ、と思った。これで何度目になるかわからないけれど。惚れ直した。
そして、そんなふうに言われてしまったら。もう、観念するしかないではないか。
「ユーノくん、あのね……」
「うん」
「……いっぱい……いっぱい、えっちなこと、して。なのはのこと、いっぱいいっぱい、気持ちよくして。なんにも……ううん、ユーノくんのことしか考えられなくなっちゃうくらい、めちゃくちゃに、してほしい……」
恥ずかしくて死にそうだった。はしたない娘だなんて思われないだろうか。こんないやらしいことを言う子は、嫌いだろうか。いろんな不安がぐるぐると回る。ほとんどユーノに言わされたようなものなのに、それでもなのはは心配でならなかった。
だから。
「いいよ」
その言葉に、なのはは。
「なのはがしてほしいだけ、えっちなこと、してあげる。気持ちよくしてあげる。めちゃくちゃに、してあげる」
心が、優しく、優しく縛り上げられていくかのような感覚を覚える。
ああ、もう。彼なしじゃ、生きていけない。
「じゃあ、とりあえず」
ユーノが、なのはの小さな肢体を抱え上げる。
「お風呂、行こうか」
To be continued…